勢揃い!島津亜矢名作歌謡劇場

島津亜矢( 島津亞矢 ) 勢揃い!島津亜矢名作歌謡劇場歌詞
1.お吉

作詞:志賀大介
作曲:村沢良介

(台詞)
ひどい!ひどいじゃございませんか
いくら私がハリスさんの処へ行く事を
承知したからといって…

涙を積み荷の 黒船が
おんなの運命(さだめ)を変えました
浜に浜木綿 咲いたけど
泣いて爪噛む 爪木崎
伊豆はしぐれる 下田は曇る
ああ お吉は 辛(つ)ろうございます

鶴さんそりゃァ あんまりだァ
たとえ 天城の山が崩れても
このお吉を 離すもんかと言った
あれは嘘だったのかい
あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい
夢さ 夢にきまってるよ…

お酒よおまえに 罪はない
この世の仕組みに 毒がある
うわさ指さす 石つぶて
耐えて下田の 糸やなぎ
生きる証の 灯りがほしい
ああ お吉に 明日は見えません

(台詞)
あゝ お酒がほしいよう
お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ
愚痴も涙も涸れ果てました
あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ

名もない路傍の 草だって
季節が巡れば 春の顔
破れ三味線 黄八丈
泣くな下田の 明け烏
夢の続きは あの世とやらで
ああ お吉は もう泣きません

(台詞)
あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね


2.男…新門辰五郎

作詞:宮沢守夫
作曲:村沢良介

男いのちを 纏に賭ける
火消し稼業の 勇み肌
江戸は「を」組の 元締めで
気っ風の良さで 名を挙げる
「男の中の…男でござる」
その名は…新門辰五郎

サーエー
格子造りに御神燈下げて
兄貴ァ家かと姐御に問えば
兄貴ァ二階で木遣りの稽古
音頭とるのはアリャうちの人
エンヤーラエンヤラヤ
サノヨーイサエンヤラヤ
エンヤラヤレコノセー サノセー
アレワサエーンヤーラヤー

惚れたおせきと 観音さまに
愛を誓えば 鳩が舞う
消すがさだめの 火消しでも
恋の火だけは 消されない
「男の中の…男でござる」
その名は…新門辰五郎

江戸の華なら 数々あるが
火事と喧嘩と 纏持ち
見ろよ見てくれ 晴れ姿
「を」組いのちの この纏
「男の中の…男でござる」
その名は…新門辰五郎


3.「冥途の飛脚」より 梅川


4.仲乗り新三

作詞:つるぎまさる
作曲:村沢良介

木曽の生まれよ 仲乗り新三
夜風身に沁む 旅鴉
生まれ在所で いつかはきっと
寝ずに覚えた 木曽節を
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
結ぶ草鞋と アンァー アー…
三度笠

木曽のナー ナカノリサン
木曽の御岳 ナンジャラホイ
夏でも寒い ヨイヨイヨイ
アラ ヨイヨイヨイノ
ヨイヨイヨイー

斬って切れない 情けの糸で
後ろ髪ひく 茶屋娘
こんなやくざに 惚れたら苦労
明けの木曽路を 忍び立ち
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
縞の合羽に アンァー アー…
ひとしずく

「お控えなすって お控えなすって…
手前 生国と発しまするは
木曽でござんす
木曽は木曽でも木曽川で
産湯を使った
仲乗り新三と申します…」
遠音・山越し・ふるさと囃子…
じーんと来やんす瞼の奥で…
捨てたあの娘が
捨てたあの娘が俺を呼ぶ…」

石の地蔵さんと 野仏さんに
片手拝みの いそぎ旅
ままよ長脇差 水棹に代えて
流す筏は 十三里
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
娘 手を振る アンァー アー…
中仙道


5.「婦系図」より お蔦


6.赤城山

作詞:野本高平
作曲:村沢良介

「幾百千里離れても、
俺の命を庇(かば)ってくれた、
赤城のお山と手前たちのこと、
忠治は生涯、忘れはしねえぞ。」

やむにやまれず 長脇差(ながどす)抜いた
俺を御用の 提灯(ひ)が囲む
これが運命(さだめ)か 裏街道
落ち目くだり目 涯(はて)ない首途(かどで)
さらば赤城山(あかぎ)の
さらば赤城山の 月灯り

「関(かん)八州に身のおきどころ、
追われ追われて仮寝(かりね)の枕。」
今日があっても、明日はねえンだ。
いいってことよ、泣くんじゃねぇ。
あと振り返って背伸びをすりゃあ
赤城のお山は、拝めるんだ。」

義理の盃(さかずき) 男の意地も
勝てぬ浮世に 腹が立つ
どこへ飛ぶのか 雁の声
こんど逢う時ァ あの世じゃないか
風が身にしむ
風が身にしむ 秋しぐれ

「親子づれか、兄弟か。
――雁が鳴いて飛んでゆく。
やっぱりあいつも、
故郷(こきょう)の空が恋しいんだろうなあ。」

木綿角帯(もめんかくおび) 堅気(かたぎ)の姿
夢にまでみて 捨ててきた
どうせ戻れぬ 旅がらす
こころ故郷(こきょう)へ 草鞋(わらじ)は西へ
泣かぬ忠治の
泣かぬ忠治の 目に涙


7.「藤十郎の恋」より お梶


8.花の幡隨院

作詞:渋谷郁男
作曲:村沢良介

花のお江戸は 幡隨院の
侠客長兵衛が 引き受けた
一人乗り込む 旗本屋敷
命 命捨て身の
アンア アアアア アンアアー 町奴

男伊達なら あの長兵衛と…

人に云われたこの俺が
片手を上げりゃ千、二千
子分身内は集まるけれど
ぐっとこらえて来た俺だ
罪なき江戸の町人衆に
俺ゃ喜んで死んで行くと
にっこり笑って息絶える
東男のアンアンアン
アアンアアン アーアーアン
アーアーアー 晴れ姿

「さすがは長兵衛…
あっぱれな最後…
武士の遺恨と意地とは云え
惜しい男を亡くしてしまった…
許せ長兵衛
そちは日本一の…男であった」

度胸千両で 今売り出しの
侠客長兵衛は 江戸育ち
死出の旅路の 桜の花を
散らす 散らす無情の
アンア アアアア
アンアアー なみだ雨


9.「明治一代女」より お梅


10.伊那の勘太郎

作詞:宮沢守夫
作曲:村沢良介

山は御岳 川なら天竜
道は木曽路の 村はずれ
恋を譲って 草鞋をはいて
あてもないのに 急ぎ足
伊那を背にする
伊那を背にする…勘太郎

ハァー 天竜下れば 飛沫がかかる…

慣れた板場を 賭場へと変えりゃ
握る包丁 長脇差へ
里の灯りが ちらほら点もりゃ
しのぶ蔦屋の 宿灯り
伊那は今頃
伊那は今頃…秋祭り

「今日は今日…明日は明日の風まかせ
どうせなるようにしかならねぇ
…旅人でござんす…」

江戸の暮らしにゃ 慣れては来たが
夢に出て来る おしんさん
恋は咲かずに 終わったけれど
咲いているだろ 蕎麦の花
伊那が恋しい
伊那が恋しい…勘太郎


11.「好色五人女」より お七


12.仁侠吉良港

作詞:村沢良介
作曲:村沢良介

雨にあじさい 風にはすすき
俺にゃ似合いの 裏街道
赤い夕映え この胸に
抱いてやりたい 花一輪
合わす両手に ほろりと涙
お菊 十八
お菊 十八… 恋女房

「後にも先にも 惚れた女はただ一人…
お菊 お前だけだ… 嫌いになった訳じゃねぇー
男には仁義のために命を掛けなきゃーならねえ時があるんだぁ
なんにも言わずに この離縁状を受け取ってくれ…
なぁー お菊…」

なるになれねぇ 渡世じゃないか
意地と情けの 板ばさみ
別れ盃 交わす夜は
そっと心で 詫びている
行かにゃならない 荒神山へ
男 涙の
男 涙の… 離縁状

「明日の命も判らねぇのが この渡世…
安濃徳のあこぎなやり方を 許す訳にゃーいかねぇんだ
三途の川の川端で 男同士の約束を 守り通すも義理のため…
分かってくれ… お菊…」

惚れたお菊に 背中を向けて
野菊片手に 散り急ぐ
夫婦暮らしも 束の間の
たった三月の 恋女房
義理を通した 白刃の舞に
波もざわめく
波もざわめく… 吉良港


13.坂本龍馬より おりょう


14.「心中天の網島」より 小春